ミニ紀行:おやじ山、白い花の季節


初夏のおやじ山でキコリ修行をしてきました。おやじ山の主、関さんが私のキコリの師匠、毎年行って色んなことを教わります。今回は道作りの手伝いをしてきました。小さな沢沿いに、遊歩道を作って、孫たちを散策させたいという山主の思いに賛同したのです。沢の途中には小さな池を作って、水芭蕉や野性の菖蒲を植え、一方ではカエル類やサンショウウオの安住の地をつくりたいという構想なのでした。結局5泊させてもらって、毎晩美味しい山菜と越後の酒を楽しんで帰ってきました。とても豊かで癒された一週間でした。

ところで、今年の越後は白い花の数々が、普段の年より沢山咲いていました。関さんによると、「白い花が多い年は困窮(冷害)になる」という言い伝えがあるそうで、たまに来る私でも分る位の花の多さに、本当に冷害になるのかな?と大きな興味をかきたてられながら、花々の写真を撮って回ったのでした。これだけ沢山の花が咲けば、秋のガマズミの実も一杯収穫できるに違いないと、ガマズミ酒が大好物の私は大いに期待を持ちました。昨年の秋は不作で5人で採ってようやく一人前の量が揃うという状態、その貴重なガマズミ酒もあっという間に味見で消えてしまいました。

アズキナシの大木

アズキナシの大木

ウワミズザクラ

ウワミズザクラ

マルバアオダモ

マルバアオダモ

ズミ(コナシ)

ズミ(コナシ)

これら白い花の中でも、私が一番好きなのはマルバアオダモ、繊細な美しさは地元でも評価されているらしく、最近、庭木として人気が高くなっていると関さんから聞き、嬉しくなりました。私が関係している「熱海の森」でも、この春に咲いているのを発見したのも嬉しいことでした。あまりにも上の方で咲いていたのでウワミズザクラと間違えてしまいましたが、最終的にはこのマルバアオダモだと確認できたのです。

帰る日の朝、緑に囲まれたキャンプで、ラジオ体操をしていたら、突然一句浮かびました。大体こういう風に出来た句は自分的には会心の出来なのです。「新緑を目に埋め込んで山を去る」 この句を関さん夫妻に感謝の気持ちを込めて披露し(挨拶句といいます)新幹線に乗り込みました。ところが、つい最近、関さんから写真が送られてきました!!その写真の一枚がまさに上記の句の通り、おやじ山を歩いている私の写真でした。本当に美しい新緑の中を嬉しそうに歩いている自分、この写真も私にとっては会心の出来、もし、今あの世に行くことになったら、この写真を遺影に使おうと決心した次第でした。       (佐藤憲隆 2113.5.13-19の記録)

おやじ山新緑

おやじ山新緑

       


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