奥湯河原「池峯」ハイキングコースを歩く

神奈川県の南西端に位置する湯河原町は、東に相模灘、周囲を箱根外輪山の山々に囲まれ、一年を通じ温暖で風光明媚なところです。また、万葉集にも詠われ、古より親しまれてきた湯河原温泉は、今もなお滾々と湧き出ています。

湯河原町は、標高が高いところでは大観山付近の約1000メートル、そこから相模灘に向かって一気に下りていくような地形なので、気候条件も多様で、生物多様性はとても豊かです。

その中腹を歩く「池峯」ハイキングコースは、湯河原駅から箱根方面行きのバスで約15分、「奥湯河原入口」バス停から藤木川沿いを1分ほど下ったところに入り口の標識があります。

辺りは、奥湯河原県立自然公園内で、コースは比較的整備されており、全体的になだらかで距離も手ごろなため、家族連れでも十分楽しめるコースです。

コース全体は、紅葉スポットとして有名で、秋から冬にかけては藤木川を彩る紅葉、黄葉する木々を横目に、毎年素晴らしい紅葉を見せてくれるイロハモミジやケヤキの大木などを見ながら山腹を上ります。

池峯モミジ

 

背後には伊豆・箱根山系の豊かな森林が見られ、コースの中間付近では、保水性に富んだ森林からゆっくりと雨水がにじみ出ることで形成された、県内でも珍しい湧水湿地を見ることができます。

湯河原温泉は、このような自然環境のなかで、雨水がゆっくりと地中深くに浸透し、特有のミネラルを吸収しながら地熱により暖められ、全国的にも有名な源泉としてもたらされるのです。

その他、池の周りでは、近年急速に生息域を失ってしまったシュレーゲルアオガエルが営巣しているほか、湿原などで生育するアケボノソウなど手つかずの自然が多く残っており、四季折々豊かな自然を観察できます。

清らかな湧水に触れてみたり、野鳥のさえずりを聞きながら紅葉や季節の草花を愛でると、日頃の疲れがきっと癒されることでしょう。なお、日帰り入浴もありますので、ご準備もお忘れなく!

(松山 成二)


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