春の川崎黒川地区

川崎黒川地区は川崎市の西北端に位置し、
北側・西側・南側を多摩丘陵に囲まれた、豊かな森と水に恵まれた地域です。
かつては、農業や炭焼きが盛んで、
現在も地区の一部は市街化調整区域や農業振興地域に指定され、
里山の風景が保全されています。
私は小田急黒川駅から徒歩5分程の「黒川野外活動センター」で、
竹林の整備などの保全活動や子どもたちへの自然をテーマにしたイベントのお手伝いを
ボランティアとして行っております。
ここは明治6年に片平小学校黒川分校として発足し、
昭和58年まで小学校があった場所で、春は地元では桜の隠れた名所になっています。定年時代在りし日の樹齢400年の桜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

植栽されているのは主にソメイヨシノですが、
オオシマザクラとエドヒガンの交配種で寿命は60年ほどと言われており、
戦後に植栽されたものと推定されます。
春に咲く桜は一帯の農村の人たちの生活とも深くかかわりがあります。
桜の花が見事に咲くことは、秋の豊かな実りを予見することにつながり、
特別な思いで桜を見続けてきました。
桜の語源はサ(神様)がクラス(座る)と言われ、
お神酒を差し上げ神様と一緒に祝ったのが花見の風習の始まりだとされています。
近隣の農家には桜が多く植栽されていますが、
なかでも樹齢400年以上と言われるヤマザクラが数年前までは見事に春を彩っていました。
残念ながら数年前台風で倒れてしまいました。
万葉集にも詠われた「よこやまの道」もハイキングコースとして、
桜の花やコナラ、クヌギの新緑、又多摩丘陵の山々の大パノラマも楽しむことが出来ます。
歴史ある汁守神社では、川崎市の保存樹木として指定されているヤブツバキ、イロハモミジ、
オオモミジ、イヌシデ等の大木が見ごたえがあります。
又希少種タマノカンアオイも保全されています。
この時期、境内では「イチリンソウ」が見事な群落を作ります。
春の妖精とも呼ばれ短い春の間に花を咲かせ種を作り、
落葉樹が葉を繁らす前に地上部が枯れ再び春の訪れを待ちます。
炭焼き窯も現存し、庚申塔などの石塔群がある里山の風情が色濃く残る田園一帯には
ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ナズナ、シロツメクサ、スミレ類など
春の植物が咲き誇り心が躍ります。
里山を満喫した後、お帰りにはJA川崎の直売所「セレサモス」で
安くておいしい地元の新鮮な野菜類のお買い求めをお忘れなく。

(山口 久基)


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