森林インストラクターになってすぐのこと、子供たちを森につれてゆき色々な体験をしてもらうキャンプのイベントがあった。最初に紙芝居を使って森のことを説明したのだが、動かずに生きている植物と生きていくために動き回る動物を対比させて説明し、君たちはどちらが良いと思うかと問いかけた。答えは意外にも半々、圧倒的に動きまわる動物を選ぶ子が多いと考えていた私の推測を裏切ったのである。
コロナで大ピンチに陥っている、航空業界、旅行業界、飲食業界等の存在とその理由を考えあぐねていた私には、上記の記憶が一つのヒントになった。人類が動き回ることにコロナ災忌の一因があるという仮説である。今度の危機は人々が動き回ることによって悪化した!!
戦争だって当事者が動けない植物同士であれば大きなものとはならない。動く存在の代表である人類は4億年前から繁栄してきた大先輩の植物たちの動かざる生きざまを謙虚に学ぶべきではないのか?
人類の祖先が現れたのは700万年前、ホモサピエンスに至ってはたかだか20万年前、1億年以上という気の遠くなるような長い時間を生きてきた、大先輩の植物(巨樹)にもっと敬意を払い、無言で発しているメッセージを聴くべきであろう。相手を破壊する能力があるから、それを駆使し、好きなようにふるまうこと、これが自然破壊の現実であり、人類滅亡の序章なのではないだろうか?!
巨樹がくれた夢
2021年2月12日 佐藤 憲隆