巨樹がくれた夢(その10)森を歩くことは思い、考えること


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長々と自分の思いを披露してきたが、その殆どが歩いている間の自問自答から発したものである。

80歳で初めて本格的な病を得た私は、寝たきりになってしまう恐怖に襲われ、出来るだけ毎日歩くことにしている。自然の豊かな伊豆半島では、どこを歩いても森であり、火山であり、海がある。次の3コースを順番に訪れている。

宇佐美漁港よりの大室山

漁港コースは宇佐美漁港を往復する海岸コース、南には海越しに大室山がよく見える。この火山は4千年前に一度だけ噴火し、直径1キロほどの火口を有している。なぜか火口を有する山を見ると癒されることに最近気付いた。火山を見ながら足元の波音や潮の香りを楽しみ、夕日が山の向こうに沈みゆくのを眺める、至福の時である。

小室山公園コースは、椿1000種4000本、つつじ40種10万本を主体とし、テニスコート18面、グラウンド、大駐車場を備えた本格的な自然公園、早春に咲く伊東小室桜の標識地でもある。ここからは意外に近くに富士山の眺望が楽しめ、出来るだけ見える日を予想して訪れることにしている。

奥野ダムの梅林

奥野ダムコースは伊東市の後背地の水源である伊東大川に建造された治水ダムで一周4.8キロ、かつての伊東市の大洪水を契機に作られたものである。本格的な森林コースで、森の香りが強く感じられる。ここではボランティアにより、樹木の名前が数多く表示されており、私も森林インストラクターになりたての頃、頻繁に訪れて一人学びに励んだものである。

結語
誰に頼まれた訳でもなく、こんな文章を書き続けてきたのは何故か?自分が森との関係を持った、この15年間の気づきを、遺言として仲間たちに伝えたかったのかもしれない。

自分の病気とコロナもそれを後押ししてくれたのかもしれない。

ともかくきっかけは夢、今でもキラキラと私の頭の中で輝いているし、幸福感に包まれている。この夢はもしかすると森林生態系を含む偉大な自然の仕組みを象徴しているのかもしれない。

敢えて夢の理由を詮索するのは、野暮の骨頂かもしれない。

森と関わり、自然を強く意識して生きることが、今の私たちに必要なことなのかもしれない。

「ワッハッハー木枯らしに乗りおさらばじゃ」
数年前に出来た辞世の句、これは森林生態系を念頭に、風葬にあこがれる自分の気持ちを詠んだものである。

巨樹がくれた夢
2021年2月12日
佐藤 憲隆


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