寒さが緩み、そろそろ半袖一枚で出かけたくなる頃、
川沿いの農耕地などを歩くと必ずと言っていいほど、「ケンケーン!」という鋭い声が聞こえます。
これはキジ♂の求愛する声です。
春先の繁殖シーズンなら、オスが体をふくらませ羽をババババと激しく打ち鳴らす
『ほろ打ち』と呼ばれる求愛ディスプレイが見られるかもしれません。
オスの色合いをひとつひとつ見て行くと、
赤・紫・緑・茶・水色・クリーム色など実にカラフル!
首から腹にかけては、金属光沢色まで使った凝った色彩です。
それに引き換え、メスの方は地味な茶色ベースで、
草原などの営巣地では見事に風景に溶け込みます。
オスの派手な色合いは、天敵の目を自分に引き付け、
メスや卵を守るためという説もありますが、
オスは子育てには一切関わらないので、これは人が考えた理想の男性像なのでしょう。
鳥人としては地味な色合いのメスが大好きで、
初めてのシャッターチャンスでは嬉しくて手が震え
30枚ほど撮った写真が全てブレていました。
(手ブレ補正機能付きなのに、どんだけ震えたんでしょう?)
日本の国鳥であるキジ、今のシーズンはつがいで行動していて比較的見やすいです。
ゆっくり観察してみてはいかが?
(2010年6月号会報に掲載)