森の木々の新芽が出揃い、過ごしやすくなるこの季節、林の中を歩くと透明感のある声で「フィーフィーフィーフィー」右肩下がりの囀りがきこえてきます。
これぞ青い鳥、その名も大瑠璃は、目のさめるような美しい青色の背をしていますが、囀る時は目立つ高い木の梢にいることが多く、逆光で黒っぽく見えることもしばしばです。
オオルリは、つがいで縄張りをもち、朝からほとんど一日中囀ります。
ソングポストとする枝に長くとまり、枝から枝へと速く移動することはめったにないので、見つけてしまえばカメラにおさめることは比較的容易です。
営巣する条件は、森林・渓流・崖の3点が揃っていること。逆に考えると、初夏から夏の終わりにかけて滝のあるような渓流に遊びに行くと高確率で会うことができます。
巣は、たくさんの蘚苔類を材料にし、渓流沿いの崖のくぼみなどに作ります。ジュウイチの棲む森では、托卵相手にされることも。
第6羽のカルガモのように、卵から孵化するとすぐ歩くタイプを早成性といいますが、オオルリは目立たないところに巣を作り、卵から孵化しても親鳥が日に何度も給餌する晩成性のタイプです。ジュウイチはその辺のこともすべてわかった上で相手に選んでいるのでしょうか。
野鳥観察会では、やはりカワセミ、ルリビタキのように色の派手な鳥を見られると参加者の満足度も高いようです。夏の野鳥観察では、オオルリ・キビタキは主役ですね。
この夏、日本三鳴鳥のひとつ、オオルリに会いに、渓流へ行ってみませんか?
(2011年5月号会報に掲載)