神奈川の身近な自然を訪ねて
~鎌倉広町緑地から腰越の社寺を訪ねる~


日 時:2022年1月19日(水)、22日(土)10:00~15:00

場 所:鎌倉市・藤沢市

参加者:一般44名(19日 24名、22日 20名)、スタッフ10名

今回は、湘南モノレール大船駅に集合し、鎌倉広町緑地から腰越を経て解散場所の龍口寺(藤沢市片瀬)まで、自然観察、史跡の見学をしながら散策しました。

午前は、鎌倉広町緑地で植物観察を楽しんだ後、七里ガ浜の住宅地を抜け、海沿いに腰越まで歩き、新田義貞が鎌倉攻めの戦勝祈願をしたと伝わる小動神社で昼食としました。七里ガ浜や小動神社からは、房総半島、伊豆大島、伊豆半島、箱根の山々、富士山がよく見えました。

午後は、鎌倉入りを許されなかった義経や弁慶が滞留したと伝わる満福寺、日蓮法難の舞台になった寺と伝わる龍口寺を見学しました。

鎌倉広町緑地では、樹液の採取痕が残るウルシ、タブノキ、カクレミノ、アオキ、エノキ、スダジイ、シロダモ、コナラ、コモチシダ、リョウメンシダなどの植物を観察しました。また、ナラ枯れ被害の様子やタイワンリスによる食痕を観察しました。さらに、腰越や龍口寺の露頭では、逆断層などを観察することができました。

参加者、スタッフともにマスク着用等の感染防止対策をとりながらの実施となりましたが、二日間とも、無事に、予定通り終わることができました。

樹液の採取痕が残るウルシの観察(鎌倉広町緑地)

タイワンリスによる環状食痕の観察(鎌倉広町緑地)

相模湾の眺望(鎌倉広町緑地)

小動神社

満福寺

龍口寺の五重塔

 


四季の森公園 自然を訪ねて
~春を待つ生き物たち~


日 時:2022年1月16日(日)13:00~15:00  晴れ

参加者:一般19 名、JFIK(スタッフ以外)2名 JFIKスタッフ3名

すべてが活動を止めてしまっているような森の中だが、よく見れば、生き物たちは、春に向けて様々な準備を進めています。そんな様子を、冬晴れの中観察し、無事に終了した。

内容:

冒頭、参加者全員に対して講師紹介、続いて配布資料に基づき春を待つ樹木、春を待つ草花の順に、観察ポイントを説明した。特に樹木については、芽鱗に包まれている鱗芽と、包まれていない裸芽の区別、花芽と葉芽、一つの芽から花と葉が両方出てくる混芽の区別について写真を使って説明した。

観察でのトピック:

  • ミズキやハナイカダを例にとり、長枝と短枝の意味合いについて考えた
  • ナミテントウが集団越冬生活する様子を観察した。背中の星の数が様々であることが見て取れ、種内の多様性のふしぎさを感じた。
  • エゴノキが予備芽を持っていることを観察し、「心配性」な木だということを共有した。
  • ヤマボウシの花芽と葉芽を参加者に見つけてもらった
  • シナサワグルミの維管束跡が顔に見え、確かに葉とつながっていたのだなということを観察できた。
  • オオシマザクラの冬芽を例にとって「休眠打破」について説明し、冬の低温が必要であることを理解してもらった。
  • オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメウズが既に開花しており、「春を待つ」草花としては想定外であった
  • ヒガンバナとヤツデを例にとり、「春を待たない」生きものもいることを知ってもらった。
  • シラカシがカシノナガキクイムシの被害で枯死しているのを観察し、「春を迎えられない」生きものもいることに思いを馳せた。

幸田文さんはその著作「木」の中で、「見守る目」で見るのが芽吹き、「見遣(や)る目」で見るのが新緑と、文学者の目で使い分けている。生きものたちの四季おりおりの姿を楽しみたいものだ。

観察した主な生き物は以下:

樹木:アジサイ、コブシ、ミズキ、ヤブツバキ、カンツバキ、サンシュユ、エゴノキ、ヤマボウシ、オオシマザクラ、ニワトコ、シラカシ、ムラサキシキブなど

草花:アメリカフウロ、セリ、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウ、ノアザミなど

昆虫:ナミテントウなど

観察の様子:

全員集合して配布資料の説明

鈴置班

金子班

坂間班

ニワトコの冬芽と芽吹き

以上(坂間記)