日 時:2022年1月16日(日)13:00~15:00 晴れ
参加者:一般19 名、JFIK(スタッフ以外)2名 JFIKスタッフ3名
すべてが活動を止めてしまっているような森の中だが、よく見れば、生き物たちは、春に向けて様々な準備を進めています。そんな様子を、冬晴れの中観察し、無事に終了した。
内容:
冒頭、参加者全員に対して講師紹介、続いて配布資料に基づき春を待つ樹木、春を待つ草花の順に、観察ポイントを説明した。特に樹木については、芽鱗に包まれている鱗芽と、包まれていない裸芽の区別、花芽と葉芽、一つの芽から花と葉が両方出てくる混芽の区別について写真を使って説明した。
観察でのトピック:
- ミズキやハナイカダを例にとり、長枝と短枝の意味合いについて考えた
- ナミテントウが集団越冬生活する様子を観察した。背中の星の数が様々であることが見て取れ、種内の多様性のふしぎさを感じた。
- エゴノキが予備芽を持っていることを観察し、「心配性」な木だということを共有した。
- ヤマボウシの花芽と葉芽を参加者に見つけてもらった
- シナサワグルミの維管束跡が顔に見え、確かに葉とつながっていたのだなということを観察できた。
- オオシマザクラの冬芽を例にとって「休眠打破」について説明し、冬の低温が必要であることを理解してもらった。
- オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメウズが既に開花しており、「春を待つ」草花としては想定外であった
- ヒガンバナとヤツデを例にとり、「春を待たない」生きものもいることを知ってもらった。
- シラカシがカシノナガキクイムシの被害で枯死しているのを観察し、「春を迎えられない」生きものもいることに思いを馳せた。
幸田文さんはその著作「木」の中で、「見守る目」で見るのが芽吹き、「見遣(や)る目」で見るのが新緑と、文学者の目で使い分けている。生きものたちの四季おりおりの姿を楽しみたいものだ。
観察した主な生き物は以下:
樹木:アジサイ、コブシ、ミズキ、ヤブツバキ、カンツバキ、サンシュユ、エゴノキ、ヤマボウシ、オオシマザクラ、ニワトコ、シラカシ、ムラサキシキブなど
草花:アメリカフウロ、セリ、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウ、ノアザミなど
昆虫:ナミテントウなど
観察の様子:
全員集合して配布資料の説明
鈴置班
金子班
坂間班
ニワトコの冬芽と芽吹き
以上(坂間記)